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Fast Retailing | FY2026 Q3 Earnings Preview
決算予定: 2026年7月9日 | 情報凍結: 2026年7月8日 JST

Q3好調はほぼ織り込み済み。
焦点は通期再上振れの言葉

3-5月の国内ユニクロは既存店+ECで3カ月連続9-10%台の増収。一方、決算期後の6月は天候不順で-14.1%。株価は7月8日に年初来高値88,690円を付けた後も87,100円で、通期営業利益7,000億円計画を「達成」するだけでは物足りないセットアップになっている。

日本語IR中心FactSet / LSEG不使用Q3単独コンセンサス未取得株価・公開IFISを更新
決算発表予定
7月9日
2026年8月期9カ月累計。沈黙期間は6月4日-7月8日。1
Q3国内月次
+9.8%
3-5月既存店+EC売上の単純平均。3月+9.2%、4月+10.2%、5月+10.1%。5
6月国内月次
-14.1%
既存店+EC。低温・台風で夏物需要が低迷。Q4初月のノイズ。5
通期営業利益計画
7,000億円
会社計画。4月に500億円増額済み。IFIS営業益コンセンサスは7,002億円。28
株価
87,100円
7月8日終値。年初来高値88,690円、会社予想PER55.68倍。10
Executive Read

スタンス: 良い会社決算は想定内。株式としては「再増額含み」が必要

会社ファンダメンタルズ

Q3実績は強い公算

上期は売上収益2兆552億円(+14.8%)、営業利益4,006億円(+31.7%)と過去最高。3-5月の国内ユニクロ月次も強く、海外ユニクロは下期も現地通貨ベース2桁増収増益を会社が見込む。会社としてのQ3は強い着地になりやすい。235

株式セットアップ

ハードルはさらに上がった

7月8日終値は87,100円、同日年初来高値88,690円。会社予想PERは55.68倍で、株価はQ3好調と海外ユニクロの高成長を相当織り込んでいる。公開IFISの通期営業利益コンセンサスも7,002億円で会社計画とほぼ同じため、株価が本当に欲しいのは通期再上方修正、またはFY2027への強い橋渡しである。810

!

最重要判断: 9カ月営業利益より、Q4とFY2027への橋渡し

国内6月の反動、為替予約レート悪化、米国関税、輸送費を吸収しても、海外ユニクロが現地通貨ベース2桁成長と利益率改善を続けられるか。通期7,000億円を維持するだけなら「良いが織り込み内」。7,200億円超への増額、または同等の強い定性ガイドが株価上昇の条件とみる。

通期7,200億円は分析上の反応閾値であり、会社予想・市場コンセンサスではない。

Expectation Bar

公開コンセンサスは通期のみ有用。Q3単独は会社計画相当値で読む

未取得Q3売上、事業利益、営業利益、EPSのFactSet/LSEGコンセンサス、予想分布、whisperは取得していない。 公開IFISで確認できたのは通期コンセンサスと第1四半期の経常利益予想が中心。以下の「会社計画相当9カ月」は、会社の下期計画を前年Q3/Q4の季節配分で按分した分析試算であり、コンセンサスではない。
指標FY26上期実績会社計画相当 9カ月会社通期計画公開IFIS通期コンセンサス読み方
売上収益2兆552億円
+14.8%
約3.00兆円
+14.7%
3.90兆円
+14.7%
3.889兆円
+14.4%
Q3単独の計画相当は約9,470億円。Q3が1兆円へ近づけば強いが、株価はかなり先に織り込む。
営業利益4,006億円
+31.7%
約5,696億円
+26.3%
7,000億円
+24.1%
7,002億円
+24.1%
公開コンセンサスは会社計画とほぼ同じ。9カ月で5,900億円に近いほど、通期再上振れ期待が残る。
経常利益 / 税前利益4,288億円
+17.9%
未提示7,400億円
+13.7%
7,367億円
+13.2%
IFIS上の経常利益コンセンサスは会社計画をやや下回る。営業外・為替差損益でEPSの質を見る。
親会社帰属利益2,792億円
+19.6%
約3,855億円
+13.7%
4,800億円
+10.9%
4,834億円
+11.6%
純利益コンセンサスは会社計画を小幅上回る。EPSより営業利益・事業利益の質を優先。

計画相当値は、FY26通期計画から上期実績を控除し、前年下期に占めるQ3比率を適用した分析試算。会社ガイダンスではない。金額は概算、IFRS。

Reported Baseline

上期は利益成長が売上を大きく上回った

連結上期

売上
+14.8%
事業利益
+28.3%
営業利益
+31.7%
純利益
+19.6%

上期営業利益率は約19.5%。国内・海外ユニクロ、GUの販管費率改善が利益を押し上げた。

セグメントの上期実績

  • 国内ユニクロ: 売上5,817億円(+7.4%)、事業利益1,107億円(+13.4%)
  • 海外ユニクロ: 売上1兆2,413億円(+22.4%)、事業利益2,330億円(+37.4%)
  • GU: 売上1,684億円(+1.6%)、事業利益157億円(+20.1%)
  • グローバルブランド: 売上627億円(-7.5%)、事業赤字7億円

会社決算サマリーに基づく。2

Monthly Read-Through

国内ユニクロ: Q3は強い。Q4初月は急減

3月+9.2%既存店+EC売上
4月+10.2%既存店+EC売上
5月+10.1%既存店+EC売上
6月-14.1%低温・台風、夏物不振

Q3への示唆

3-5月の単純平均は+9.8%で、会社の下期国内ユニクロ既存店+EC売上計画(約+5%)を大きく上回った可能性が高い。Q3の国内売上・利益にはポジティブ。

Q4への警戒

6月は既存店+EC売上が85.9%、直営店+EC売上が86.3%。会社は低温と台風など天候不順、特に月後半の夏物需要低迷を理由に挙げた。未消化夏物が値引き・在庫へ波及するかがQ3実績以上に重要。5

Segment Watch

株価を動かす5つの確認点

領域直近実績・会社計画Q3での確認点株価への意味
海外ユニクロ上期売上1兆2,413億円(+22.4%)、事業利益2,330億円(+37.4%)、事業利益率18.8%。下期も現地通貨2桁増収増益計画。23報告通貨の円安換算を除いた成長率、欧米・ASEAN・韓国の既存店、利益率。最重要。高バリュエーションを支える主エンジン。
グレーターチャイナ上期は増収、2桁増益。会社は中国大陸の構造改革により下期も増収増益を計画。27既存店、在庫効率、スクラップ&ビルド、大型店シフト、利益率改善。前年Q3の減収減益からの反転なら上振れの質が高い。
国内ユニクロ上期売上5,817億円(+7.4%)、事業利益1,107億円(+13.4%)。下期は既存店+EC約+5%、事業利益は前年並み計画。2Q3既存店の利益転換、粗利率、6月失速後の在庫・値引き計画。Q3ビート要因。ただしQ4ガイドが弱ければ好材料を相殺。
GU上期売上+1.6%、事業利益+20.1%。下期は増収、2桁増益計画。2売上成長の加速、トレンド商品の数量不足解消、品番数絞り込みの継続。利益率改善だけでなく売上成長が戻るかが再評価条件。
在庫・粗利2月末在庫5,011億円、前年同期比+416億円。国内+156億円、海外+239億円。会社は国内在庫を適正範囲と説明。3春夏物の値引き率、在庫伸び対売上伸び、6月低温の残存影響。Q3売上が良くても、Q4粗利悪化なら株価は売られ得る。
FX Framework

為替は海外換算に追い風、国内調達原価には逆風

項目最新確認値読み方
会社の通期予想4月9日に増額修正会社は上期上振れ、下期販売状況、下期為替レート前提の見直しを増額理由に挙げた。2
USD/JPYスポット約162.24円7月8日確認時点。海外売上の円換算には追い風だが、国内調達に使う為替予約レート悪化は原価率に逆風。11
EUR/JPYスポット約185.27円欧州売上の円換算には追い風。現地通貨ベース成長と分けて評価する。12
過去実績レートFY2025: USD 148.7 / EUR 162.9会社の為替データは12カ月累計平均。FY2026の決算評価では、換算押し上げと国内粗利の悪化を分ける。9
EPS品質: 1Hは営業利益4,006億円に対して税引前利益4,288億円。為替差損益や金融損益で純利益が動くため、決算後はEPS単独ではなく、事業利益・営業利益・粗利率を優先して見る。
Stock Reaction

良い決算でも売られる条件、悪い決算でも買われる条件

好決算でも売られる

  • 9カ月利益は強いが、通期営業利益7,000億円を据え置く。
  • 国内Q3ビートが天候・販促寄りで、6月以降の値引き増を示唆。
  • 海外売上が円安換算主導で、現地通貨成長や利益率が鈍化。
  • 中国回復、GU売上回復、北米関税吸収のいずれかが未達。
  • 株価が年初来高値圏のため、上振れ幅が足りない。

弱い決算でも買われる

  • Q3粗利は弱くても、6月を一時的天候要因と説明し7-8月回復を示す。
  • 海外ユニクロの現地通貨2桁成長と利益率改善が維持。
  • 通期7,000億円を維持しつつ、FY2027の成長投資・利益率に自信を示す。
  • 在庫が制御され、値下げリスクが限定的。
過去イベント翌営業日読み方
FY2025本決算(2025/10/9発表)+6.65%翌10/10終値ベース。
FY2026 Q1(2026/1/8発表)+10.67%大幅増益と上方修正を評価。
FY2026 H1(2026/4/9発表)+11.99%上期上振れ、通期再増額、海外成長を評価。

過去反応は調整済みではない簡易観察。今回も「ビート」だけでなく、再上方修正・海外成長・6月反動の説明が必要。

Bull / Base / Bear

9カ月累計と通期ガイド反応シナリオ

Bull

分析上の確率: 30%
  • 9カ月売上が約3.03兆円以上
  • 営業利益が約5,900億円以上
  • 海外の現地通貨2桁成長と利益率拡大が継続
  • 通期営業利益を7,200億円以上へ増額、または同等の強いQ4見通し

株価反応: 年初来高値更新を試す。
崩れる条件: 円安換算を除く海外成長が鈍化。

Base

分析上の確率: 50%
  • 9カ月売上が約2.98-3.03兆円
  • 営業利益が約5,650-5,900億円
  • 国内Q3は強いが粗利に為替逆風
  • 通期7,000億円を維持し、6月は一時的と説明

株価反応: 織り込みとの綱引き。
崩れる条件: Q4既存店・在庫見通しが悪化。

Bear

分析上の確率: 20%
  • 9カ月売上が2.95兆円未満
  • 営業利益が5,500億円未満
  • 中国・GU・国内粗利の複数が未達
  • 6月失速を受けQ4見通しを慎重化

株価反応: 高い期待値から倍率調整。
支え: 在庫正常、7月前半販売が急回復。

閾値・確率は会社予想やコンセンサスではなく、会社計画相当値と過去実績を基にした分析上のシナリオ。

Call Questions

説明会で聞くべき質問とlisten-for

質問なぜ重要か強い回答弱い回答
6月の低温・台風影響後、7月前半の国内販売と夏物在庫はどう推移しているか。Q3実績よりQ4粗利を左右。販売回復、在庫正常、追加値下げ不要。夏物残存、値引き増、下期+5%計画に不透明感。
国内の調達為替予約レートはQ3/Q4/FY27にどう移るか。国内粗利率の最大変数。Q4が悪化ピーク、価格・生産性で吸収。FY27まで原価率上昇、値上げ必要。
海外ユニクロの報告通貨成長を、現地通貨・既存店・新店・為替に分解してほしい。円安換算と実力成長を分離。現地通貨2桁、既存店も増収、利益率改善。為替・新店依存、既存店鈍化。
中国大陸の増益は粗利、販管費、店舗入れ替えのどれが主因か。構造改革の持続性を判断。既存店・在庫・粗利・販管費が同時改善。一時費用減や円換算中心。
北米の関税影響をどこまで価格、調達、粗利で吸収できたか。欧米成長の利益転換を確認。現行価格で粗利低下軽微、主要影響なし。値上げ・需要鈍化・粗利低下が同時発生。
GUは売上成長が期待未達だった問題をQ3に解消したか。利益率改善だけでは成長再加速にならない。ヒット商品の数量計画が改善し既存店加速。粗利改善のみで売上は低成長。
通期7,000億円に対する上振れ余地と、保守性を残す具体的リスクは何か。株価の本当の期待値を測る。Q4前提を維持しても余裕、複数地域が上振れ。6月失速、原価、関税で余裕を使い切る。
Action Rules

ポジション判断条件

買い増し

  • 営業利益が約5,900億円以上
  • 通期増額または明確な上振れ余地
  • 海外の現地通貨成長・利益率が両方強い

保有

  • 会社計画相当の9カ月実績
  • 7,000億円維持
  • 6月を一過性と説明し在庫正常

利益確定

  • Q3ビートでも通期据え置き
  • 国内粗利・在庫悪化
  • 海外実力成長が一桁へ減速

様子見

  • Q3単独コンセンサス未取得
  • オプション・機関ポジショニング未取得
  • 7月以降の販売回復証拠待ち
Source Ledger

出所と制約

  1. ファーストリテイリング IRカレンダー(最終更新日 2026年7月2日): 決算発表日、沈黙期間、月次予定
  2. 2026年8月期 第2四半期決算サマリー(2026年4月9日): 会社IR
  3. 2026年8月期 上期業績および通期業績予想(2026年4月9日): 会社説明資料 PDF
  4. 今期業績予想(最終更新日 2026年4月17日): 会社IR、通期計画
  5. 国内ユニクロ売上推移速報 2026年8月期(2026年7月2日): 会社IR PDF、3-6月月次
  6. 2026年8月期上期 FACT BOOK: 会社IR PDF
  7. 2026年8月期 上期決算説明会 Q&A(2026年4月9日): 会社IR PDF
  8. IFIS株予報 9983 ファーストリテイリング(更新日 2026年6月12日): 公開コンセンサス、決算スケジュール
  9. ファーストリテイリング 為替データ(最終更新日 2026年4月17日): 過去実績レート
  10. Yahoo!ファイナンス 9983(2026年7月8日 15:30): 株価、年初来高値、PER、信用残
  11. Yahoo!ファイナンス USD/JPY(2026年7月8日確認): 為替スポット
  12. Yahoo!ファイナンス EUR/JPY(2026年7月8日確認): 為替スポット
制約FactSet、LSEG、QUICK等の契約データは使用していない。Q3単独コンセンサス、予想分布、whisper、イベントを隔離したインプライド・ムーブ、機関投資家ポジショニングは未取得。このため本資料は決算セットアップと反応条件であり、イベント直前の確定的な売買指示ではない。